この間とあるお客様関与の中で、金融機関から埼玉県の中小企業制度融資として「伴走支援型経営改善資金」を利用した借り換えの提案がありました。新型コロナウイルス特別貸付の返済猶予期間終了が迫るなか、コロナ禍以前の状況までは業績が回復しない現状を踏まえ、一時的な資金繰り改善の手段の一つとして提案がされたものです。おそらく同様の提案をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この間何度か社長様と金融機関の営業担当者と私の3人で面談する機会があり、そのなかでちょっぴりヒートアップしてしまったやり取りがありました。

新規開店による増収と、コロナ禍からの立ち直りとしてここ数カ月で見え始めた売上回復の兆しを一生懸命予算に落とし込んだ社長。

一方で過去数年の売上実績から見て、予算建てを「甘い」と指摘し、厳しい目線で予算を下方修正すべきだと提案する営業担当。

何度かやり取りが続いた後
「経営改善しろと言われて頑張って作った予算が黒字ではダメなのか!だったらどうしろと言うんだ!」と社長はちょっぴりお怒りの様子。

「いやいや社長、ダメとは言いません。そうは言っても売上が伸びる保証がありませんよね?」とあくまでも厳しい視点で指摘する営業担当者。

お互いの予算に対する見方や立場が違うので意見がぶつかるのは当然ですが、ここでふと思います。
「社長、もっと細かく説明しなくていいの?」「○○銀行さん、伴走支援するんじゃないの?」

さて、ここで最初に挙げた融資制度にある「伴走支援」について考えてみます。
制度の名前にも入っている「伴走」という言葉は一般的に「マラソンや自転車のロードレースなどで、競技者のそばについて走ること」を意味し、ビジネスや経営においては「一緒に目的に向かって走るように支援する事」を言います。いずれにせよ競技者(経営者)が安心して走れるようサポートをするのが伴走者の役割と言えます。
中小企業庁では、経営環境の変化が激しい時代において、中小企業、小規模事業者に対して、どのような伴走支援を行えば、その成長・事業継続・復活を導けるかを検討するため、2021年10月に「伴走支援の在り方検討会」を立ち上げています。

そこに書かれている伴走支援モデルのフレームワークを簡単にまとめると、
・経営者が「腹落ち」するための最善の方法は自ら答えにたどり着くことだが、独力でそこに至るのは難しいということ。
・そのために、まずは経営者の頭の中にある想いを「言語化」し、支援者に伝えることが大事ということ。
・経営者のたどり着いた答えが適切でない場合、支援者は少し踏み込んで提案を行うこともあり得るが、経営者との信頼関係が構築されていることが必要ということ。
・支援者は経営者との対話を通して信頼感を醸成しなければならないということ。

腹落ちすることが経営者の内発的動機付けやモチベーションに繋がり、潜在力を発揮することに繋がるわけですが、前述の面談においては社長の「言語化」も不十分でしたし、営業担当は「信頼関係」も不十分なまま踏み込んだ提案をしてしまい、充分に「腹落ち」が出来なかったのでしょう。
ここに書かれているのは伴走者の視点のみですが、経営者の視点はどうでしょう。伴走者が経営者の想いを充分にくみ取ることも大切ですが、一方で経営者は自分の想いや計画を言語化あるいは数値化し、支援者等の第三者に説明できる準備をしておくことが大切です。それらを基に「対話」を重ね、良き伴走者を見つける努力をすることも経営者の仕事の一つなのだと思います。

中小企業者が昨今置かれている状況として、インボイス制度等の事業環境に変化をもたらす制度改正、世界的な脱炭素・カーボンニュートラル・DXへの動き、急速に進む人口減少、長引くコロナ禍等々、激変する環境において企業経営の不確実性は高まっています。だからこそ信頼できる伴走者が必要になるのであって、その伴走者とはより多くの対話を重ねる必要があるのだと思います。

コロナ禍で物理的にも精神的にもソーシャルディスタンスが保たれている今、身近な伴走者と言える人と、もしくは支援すべき人と充分な対話は出来ていますか?
もし経営に関する悩みや計画が経営者の頭の中で留まっているようでしたら、まずは言語化してみることをおススメします。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。
(柴沼)

サービスに見合う価値とは?

 

突然ですが、最近お客様から聞いたことのある話で

『手間がかかる仕事ばかりしか受注出来ない(製造業)』
『相談事ばかりで自分の仕事が全然出来ない(不動産業)』
『見積ばかりでなかなか受注出来ないんだよね(建設業)』

などなど、、、

諸物価高騰もあり、ガソリン代など移動や輸送コスト等が更に負担増となって経営を圧迫している現在、
『仕事は有るだけマシでそんなわがままも言っていられない。』
という声も聞こえてきそうですが、果たしてそうでしょうか?



私なりの回答は


『手間がかかる仕事ばかりしか受注出来ない(製造業)』

取引金融機関を通じて有料ではあるけれどビジネスマッチングを使うなども良いかも知れません。
これは無料の場合は参加するためのハードルは低く、いろいろな問題を抱えていても隠して参加するなどする
モラルの
低い企業の場合は取引を開始しても苦労することが多いと思いますし、紹介する金融機関も自分のところ
信用問題になってしまうため、真剣に取り組んでくれるというのが一般的な見方になると思います。



『相談事ばかりで自分の仕事が全然出来ない(不動産業)』

業務メニューの細分化が出来ていない可能性が高いと思います。
不動産管理手数料ひとつとっても、知りうる限りでは310%と幅が広いのですが、具体的に何をやったら3
なのか?
10%の内容も3%と何が違うのか?情報がネットを中心にあふれる時代にあって、相手の懐具合で請求
するの?
というのをまさに体現しているようです。

個人的には基本業務は5%・草むしりなどはオプションでプラス1%などとしていくと分かりやすくて良いと思い
ます。



『見積ばかりでなかなか受注出来ないんだよね(建設業)』

最初に依頼者からキチンと聞き取りをしていない可能性が高く、経営者の感覚で価格を決めているかも知れないと

思います。例えばこの予算ならここまで出来ますが、ここの仕様はこうなってしまうなど、、、と丁寧に説明
すれば納得感をも
得られやすくなると思います。



簡単に述べてしまいましたが、それぞれの事業の柱となるサービスメニューが以前と全く変わらずのままで、

ただ​​​​漫然と従来と同じ業務をしていないでしょうか?
急激な円安などの影響もまだまだ当面落ち着かなさそうですので、この際ご自身の行っているサービス(役務提供)

について今一度考えてみるのも良いかも知れません。

今回もお読みいただきありがとうございました。


本日もお邪魔いたします。

もう、40年ほど前の話です。
私は高校で化学をやっていました。
化学といってもかな~り地味な研究で、高校の周りにある「お堀(掘割)」の水質調査を学校の部活動として行っていただけです。

各学年5名ほどしか部員がおらず、さらになぜか文系の学生(一応理系専攻のクラスもあった)の方が多く所属をしていました。

週に2回、お堀の水を10数地点の決まったところから汲んできて、その水の中にいる大腸菌を培養して日々数を数えます。

たぶん…ですが、化学部が始まって以来ずぅ~っと続いている取り組みなのでしょう(現在どうなっているかは調べられませんでした。学校のホームページにも当部活動の紹介は掲載されていませんので廃部になってしまったのでしょう)。

さて、お堀の存在はスタジオジブリが実写映画化しましたので、全国的に有名。野球部も強豪校でしたし、テニス部も強かったのでご存じの方も多い学校だとは思いますが、そういう中での弱小文化部で、いまも心にずっと刻んでいる言葉があります。

「火傷してもフラスコを手放すな」です。

大腸菌を培養するだけではなく、コーヒーを煎れるお湯を沸かすときも(笑)、ビーカーなどで熱湯を利用します。

なぜか当部活動では水を熱するときにビーカーは使わず、フラスコ(丸底)を利用し、火元から外すときはそのフラスコの口の部分を直接手でつまんでいました。

フラスコの口の部分は本体よりもガラスが厚くなっていて、確実にそこを持つと熱が伝わってきませんでした。

しかし、ちょっとでもずれると「ヲォッァチィ!(熱)」となってしまいます。

そして手を放してしまうと、落下したフラスコが割れ、ガラスが飛散し、さらに中に入っていた薬品も飛散してしまいます。

高校生の部活動とはいえ劇薬も金庫に保管してありましたし、薬品を使った事件があれば警察が在庫の確認で訪ねてくると言われていました。

それ以上に、実際に落下させてしまうと、二次被害が大変です。

指先を火傷するだけならまだしも、手を放してしまうと「ガラス、薬品、(薬品の)熱」が他者にケガを負わせてしまうことになりかねません。それも取り返しがつかないケガです。

幸いにしてそういう機会に会うことはありませんでしたが、研究にしても、仕事にしても実はいつも危険と隣り合わせ。

中小企業は、狭い市場に特化した能力を少ない労働力でこなすことで自社の商品の優位性を維持しているところがあります。

経営資源のヒト・モノ・金・情報の内、ヒト・モノ・情報もマルチな労働力ではなく特化され、モノ(機械)なども特化型。必要な情報をチョイスし、その他については親会社が担当してくれているという状況で生き残ってきました。
これは強みです。

しかし、ひとたび何らかの脅威、それは今回の新型コロナウイルスにスタッフが感染した場合など、替えがいない場合や、重機を操作できるオペレーターが出社できなくなるなど。
または、そのスタッフのライフプランと会社の経営計画にギャップが生まれた(親の介護など、本人の意志では解決不能な事象)など。
自然の脅威もあるかもしれません。

そういう時に「なにがあっても実験器具を手放してはならない」レベルで、その瞬間の二次被害は防げますが、その後の手立てはかなり難しいかもしれません。

労災(保険)や事業継続に軸足をおいた民間の保険など検討されることもひとつの方法です。

「保険に入っていれば安心」という意味では少々弱いと思います。

例えば、リスクマップを作成しその脅威が発生する「頻度」と「損害額」を軸にプロットし、具体的に検討することをお勧めします。

気軽にお声掛けください。

今回もお読みいただきありがとうございました。

弥永

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