みなさんは「ラーメン10箇条」というものをご存じでしょうか。

私はこの10箇条を住まいの近所の「横浜家系 石川家」というお店で知りました。
(現在このお店は無くなっています。また、職場の近所であった大宮店もコロナ禍に入りほどなくなくなりました。
が、最近復活し嬉しい限りです)

私は生まれが福岡で、いわゆる豚骨スープのラーメンで育ちました。
1杯300円(40年前福岡ド田舎価格)くらいでした。
実家近くの「大阪屋」というお店でしたが、数年前帰省した際にはもうありませんでした。

話をラーメン10箇条に戻します。
ご紹介すると、
一、店で煙草を吸うべからず。周りの人が迷惑だ。
二、初めての店では、一番シンプルなメニューを食すべし。
三、まずは、そのまま食すべし。いきなりコショウなんてもってのほか。
四、なるべく急いで食すべし、時間が経つほどまずくなる。
五、必要以上に店主に話しかけるべからず。むこうはあくまで仕事中。
六、麺は直接啜るべし。れんげから啜るなどもってのほか。
七、自分の舌で判断せよ。有名店が、必ず旨いとは限らない。
八、待っている客がいるならば、早く席を立つべし。喫茶店ではない。
九、味の変化を全て店のせいにすべからず。体調による変化も考慮せよ。
十、ラーメン道を行く者作り手も食べ手も真剣でなくてはならない。
というものです。

これは、石神秀幸さんというラーメン評論家が唱えたとのことですが、私がラーメンに限らず、ず~っと気になっていることがあります。

「九」の「味の変化を全て店のせいにすべからず。体調による変化も考慮せよ。」というものです。

初見では、「親父さんの体調が悪い時もあるだろうから、味の変化も体調によるということ」かな?などと思っていましたが、他の箇条はすべて「食べる側の心持ち」というスタンスとなっています。

とすると、「食す側の体調に原因があって、味の変化を感じる時もある」ということなのでしょう。

人々が集まって事業を行っていると、通常時と違う違和感を感じ、それを是正しようと周りに働きかけを行う発信をすることがあると思います。

ところが、その「違和感」が実は、自らの立ち位置(自身の体調の変化や加齢、全く関係のないところで発生した事象に対する自分の感情の変化など)が、周りは「通常時」と思っているにもかかわらず、自らの立ち位置はいつもと同じと思い込んで、「違和感がある!」と発信してしまい、まわりは「きょと~ん」。

まずは落ち着いて、自らの立ち位置のチェックから行うのも手です。

「間違っていない」と思ってチェックするのではなく、「間違うものだ」「間違っているかもしれない」と思ってセルフチェックを行うのは、製造物だけではなく、行動もだと。

第七波と言われる感染急拡大状況の中、これまで飲食やオフィスでの対面で得ていた情報が、webやTVなどからのインプットに限られてくると、すでに一定のバイアスがかかった少ない情報(ソース)に偏りがちな時もありそうです。

感染予防を徹底しながら、できるだけ様々なソースにあたりながら、多面的に物事を見る。
その中で、自身を振り返るきっかけをつくるのもよいかもしれません。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

弥永