2019年10月


「CSR(企業の社会的責任)と持続可能な会社づくり」(2019年10月13日付所長のブログより一部転載)




さて今回の話題ですが、自然環境を含めた様々な環境変化の中でも経営理念を軸にしたブレない経営を進めて行こうと、年度始めとなる10月の初めに、毎年、第一経営グループの所員全員を対象とした理念研修を行っています。今年は10月7日の月曜日に、CSRコンサルティング事務所である允治INCH社代表の泉貴嗣さんから「CSRを通してめざす会社づくりと実践事例」と題した1時間の報告を聞いた後、事務所別の分散会で意見交流を行いました。




第一経営グループは今年8月、さいたま市が独自に行っている認証制度である「さいたま市CSRチャレンジ企業」の申請を行いました。そして先月の中旬にはさいたま市から委託されている中小企業診断士等6名によるグループ企業3社(株式会社第一経営相談所・税理士法人第一経営・社労士法人第一経)それぞれの審査が終わったところです。午前中いっぱいを使い、私に対するヒヤリングだけでなく、それぞれ社員へのヒヤリングも行われ、申請内容に齟齬がないかどうかのチェックが行われました。




さいたま市としても、これはCSRチャレンジ企業を審査して落とすというものでなく、あくまでも現状を確認した上で、CSR(企業の社会的責任)の視点から見て更なるレベルアップした会社づくりを求めるというものだろうと思います。




私たちも事前にチェックリストで見たところ70~80%の到達と認識していましたが、10月中には審査結果が出るので、11月中旬の認証式へ出席を予定しておいて下さいということでしたから、100%でなければダメという訳ではなく、そうしたCSRに意識的な企業をさいたま市に増やしていこうという趣旨が伝わってきます。




今回報告していただいた泉さんは、さいたま市が発行する「CSRチェックリスト~中小企業のためのCSR読本」と、その続編となる「CSR経営推進マニュアル~CSRはSDGsの方法論~」の著者でもあります。自然環境の変化や国際紛争と難民・貧困問題、身近なところではブラック企業の問題や障害者雇用への対応、コンプライアンス等、企業経営をめぐる様々な経営課題と地域の課題がリンクしていることを再認識する必要を感じます。




顧客だけでなく社会からの期待にも応え、もちろん従業員、更には退職者を含めた満足度を高めることもCSRの重要な要素ということです。特に従業員に対する給料以外の報酬として、やりがいの感じられる仕事や楽しい職場づくりなど、報酬のバリエーションを増やすことが結果として、それぞれの利害関係者から支持され、未来に続く持続可能な企業づくりに繋がっているということを言われます。




幾つかの有名な企業で発覚した問題事例などを紹介しながら、また一方で比較的身近な中小企業が自社の商品やサービスの利用状況を観察する中から生まれた、ユニークなCSR活動の事例を聞くと、これまでの第一経営の基本的な方向性に確信を持つと同時に、あまり構えすぎないで、所員一人ひとりの発想を生かしたイメージを膨らませることの大切さを思います。




今回の申請にあたっては、さいたま市にある本部と大宮事務所だけのテーマとしてとらえるのではなく、あくまで第一経営グループ全体の会社づくりとして考えて行くため、他の市にある事務所を含めた各事務所からメンバーを選出してプロジェクトチームを作り、CSRの学習と申請準備を進めてきました。




しかし全社的にはCSRって何?、SDGsって何?というところからのスタートであり、泉さんの報告を聞いた後に行われた幾つかの分散会では「さて、これから自分たちは何をすれば良いのかよく分らない」という感想が出されていたようです。




まだまだCSRをボランティア的な行動に限定した理解もあると思われます。お客様や地域、そして個々の所員にとって魅力ある第一経営グループであり続けるためにも、自らが本業を通した企業価値を高める活動や新たな価値を創造する活動に問題意識を持ち、一人ひとりが臆することなく楽しんで発言して行ける風土づくりがまず大切なことを思いました。




今回もお読みいただき、ありがとうございました。




*今回は当社所長吉村浩平の所長のブログから転載し、ご紹介させていただきます。

元記事は、

https://ameblo.jp/daiichi-keiei/entry-12535381355.html

↑こちら。



【サマリー】

・下請けの評価を、本社が判断するときの基準が「取引高(売上高)が多い」になっている。

・親会社から10億の売上を得ている業者と、1億の売上を得ている業者

・「なぜ10億できるのか」と問うてみる




本日もお邪魔いたします。




さて先日、あるお客様に伺ったとき、こんな言葉をお聞きしました。

「監督さんは仕事や結果を観て評価してくれるけど、監督さんの会社の本社は、当社の取引高(支払金額)をみてその業者の善し悪しの判断基準にしている。」




そのお客様は「だから取引高を上げなければならない。でも、それって結局は数字で判断していて、仕事の中身とか品質ではないと思う」と。




さて、「親会社から10億の売上を得ている業者と、1億の売上を得ている業者」の評価はその売上高(取引高)の多寡だけの問題でしょうか。




そこで、「なぜ10億できる会社は、10億できるのか」と問うてみることにします。




10億出来る会社と1億の会社では当然、「その会社の規模感」が違います。

働いている人も多いでしょう。

設備やハード的な資源もたくさんあるでしょう。

もしかすると、社長様や営業パーソンのネットワークなど「繋がり」も多いでしょう。

働いている人が多ければ、一人がこなす仕事も細分化され、納期も早いかもしれません。

さらに自社発注の外注(協力会社)を多く使っているかもしれません。




ただ、各々気になることがあります。

働いている人が多ければ、当然「多くの人々をまとめる」という内部管理の仕事が増加します。

設備やハード的な資源が多ければ、そのメンテナンスやそれを動かすコストもかかります。それらを管理しなければなりません。

人的・情報、それらのネットワークが多岐に渡れば、ともすればそれの維持が目的化してしまい、本来の自分の仕事ができない状況になってしまうリスクがあります。

納期が早くても、多くの人が関われば、それだけリスクも増えますし、管理する工数も増加します。

社内ではない社外の協力会社は、意思決定はその会社が持っています。「仕事が被ってて、御社の仕事、今、受けられません」と言われるリスクがあります。




親会社の評価は「10億」で評価しているのではなく、「10億出来るシクミを持っている」ことを評価しているのではないでしょうか。




結果、売上高数千万の会社は、数千万を回すシクミになっている。

しかし、売上高数十億の会社は、数十億を回せるシクミを持っている。




誤解していただきたくないのは、それが「偉い」とか「ダメ」と言っているわけではありません。

それから、その会社が「いい会社」かどうかは、別の話です。

また、その取引先の本社担当者がそこまで「観て」判断しているか、当然疑問もあります。

単に、売上が多いところから仕事を割り振って、「大丈夫だろう」と安心しているだけかもしれません。

取扱商品のそもそもの金額が高価な場合もあるでしょう(それでも、高額商品をきちんと扱うことはそれはそれで大変なシクミです)。




しかし私は、同業他社で「会社の規模感は同じなのに売上(取引高)が大きい会社」がある場合は、「どうやっているんだろう」と問いかけてみることを皆さんに期待しています。




例えば、自社と「同規模なのに売上高が大きい会社」、「自社よりも規模感が小さいけれど、同程度の売上を確保している会社」、こういうところと何かの機会に交流が持てる場合は是非!

親会社の会合などに出られた時はチャンスです。

同業他社がたくさん来ているはずですから。




今回もお読みいただき、ありがとうございました。



この度の台風19号により被災された皆様に対し、心よりお見舞い申し上げます。






読者の皆さんは「会議」と名のつく打合せを主催された経験が多いと思います。




私が企画する会議には、ひとつのフォーマットがあります。

それは、その会議における最高責任者(もしくは責任者グループ)からのあいさつを必ず冒頭に入れることです。




その理由は下記によるものです。




私は学生時代、永らくブラス(バンド)に所属していました。

ラッパ(トランペット)吹きでした。

みなさんはクラシックコンサート(ブラスやフルオケ)を聴きに行かれたことはありますか?




指揮者が登壇して演奏が始まる前に、楽器奏者が各々音出しをしているシーンを観た(聴いた)ことがあるかと思います。




あれっていわゆるチューニングですが、なぜ奏者たちは舞台に上がる前にチューニングを済ませておかないのか不思議に思ったことはありませんか。




実は、チューニングは舞台に上がる前にやっています。

しかし、実際の舞台は、照明や湿度がチューニング時(場所)と違って、楽器の調子が変わってしまっています。




そこで、舞台上で再度チューニングをします。




その際合わせる音は,オーボエの「A」の音(ラ)です。




これは、楽器そのものが伸び縮みせず可動部分が無い楽器の役割です。




さて、話しは戻って、会議。




議事は事前に提案されていますが、参加者がその会議に参加する時には様々な外部環境の変化や、本人の体調などの変化があります。




人間は生物ですのでその日、その会議の開始時に、議事発表時と全く同じはありません。

(実際は,「機械」も稼働開始時にはアイドリングして,安定して一定の品質のものを製造しようとすると,昨日との環境の変化は意識しなければ同じにはなりません)




そこで、チューニングと同じ意味で、先の「冒頭、責任者によるあいさつ」を行って,できるだけ参加者の意識(気持ち)を揃えます。




何らかの事情で参加者が遅れた場合,ディスカッションにおいて気持ちが揃っておらず,意図した結果が確実にならないことが発生します。




皆さんは、楽器の一部がいないオケの(実際はその状態はオケとはすでに言えませんが)演奏を聴きたいとは思わないでしょう。




冒頭で「A」の音を使って,全体を会議ができる状態にする。




重要だと思います。




今回もお読みいただき、ありがとうございました。


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