2021年03月

おはようございます。

  大相撲三月場所が14日から滞りなく行われました。

 その初日、懸賞旗のなかに「M&Aのことなら○○○」の旗があり、

 ポピュラーになったものだなと感心しました。

  実際、7・8年前は70代で後継者がいらっしゃらないお客様に

 こちらからお声掛けをすることがほとんどでした。

  それが2・3年前から高齢の方に止まらず、ある40代の方からは、

 自社がM&Aした場合の株価評価の依頼が来ました。

  この方は「親族はいるが、自分の後継者とする人はいない。」と

 M&Aを決断されました。

  また、今年に入り30代の2名の方からM&Aの相談が有りました。

  内1名は会社を3年前に設立したが、自分は経営者に向いていない。

 この会社を同業者の先輩に売りたいということで、そのサポート依頼の

 相談でした。

  もう1名は本業の土木工事業が一定安定してきたものの、

 こんな時代だから異業種を立ち上げたいが、

 それをM&Aで探してみたいとの相談でした。

  以上のように、後継者不在の経営者に止まらず、また年齢に関係なく 

  ご自身の、これからの選択肢として、活用するのに値するものとして、

 M&Aが評価されて来ているようです。

  ところで、この間、売主様の株価評価を含めたM&Aの買収監査を

 していくなかで強く感じることは、M&Aを進めていく上では

株式・財務・労務の健全性が欠かせないということです。

  具体的には、設立から現在に至るまで株の変遷が洩れなく辿れること。

  財務において、B/S・P/L項目其々の根拠が全て明瞭であること。

  労務において、各種社会保険や雇用関係のコンプライアンスが

 整備されていること。

  他にも求められる事は有りますが、ポイントはコンプライアンスと

 透明性です。

  以上については売主様に止まらず、これから事業を引き継ぐ買主様に

 ついても求められます。

  こういった自社の整備を進めていくことで、売主様にとっては事業

 継続のスムーズな移行に、また買主様にとっては新たな事業計画の

 効率的な推進に繋がります。

  以上が、事業と雇用を守って新たな発展に繋がり、売り主様には

 ハッピーリタイヤに繋がる、

  中小企業のM&Aを成功させるカギとなるものです。

  ご参考になれば幸いです。今回もお読みいただき、

 ありがとうございます。

東日本大震災から10年の節目の年、福島中小企業家同友会が設営を担当するオンライン開催の中小企業問題全国研究集会が3/13行われました。登録者数は全国から982名、第2部では7~8名ずつ86に分かれての大グループ討論です。

★映画「Fukushima50」が描き切れなかった話
第1部は「東日本大震災復興シンポジウム」として、最初に映画「Fukushima50」の原作者であるジャーナリストの門田隆将氏の講演がありました。「福島第一原発事故は日本人に何を問いかけたのか」と題し、タイムリーにも前日に地上波TV初公開となった、その映画の場面に重ねながらの講演で、私もそうですが映画を観た人にとってはそこに描かれなかった様々な「事実」を聞くことが出来て、実に興味深い講演になったかと思われました。

全電源喪失、原子炉建屋が爆発したその時に、現場では何が起こっていたのか、門田氏の徹底的なインタビューをもとにした話は、吉田所長をはじめとした面々の文字通り命をかけた闘いの模様、緊迫した時間を再現してくれます。

ただ私個人の率直な感想を言わせていただくなら、オフレコ部分を除いても「マスコミは事実を伝えない、嘘を書く」という話はともかく、「原発に何度も突入しベントを成功させた福島県人たちが日本を救った」と言い、最後は「吉田さんとなら一緒に死ねる」とプラントエンジニアたちが言った話から、私たちの会社の経営者と社員との関係に重ねて問いかけるやや飛躍した部分とか、更には「原発に対する意見では反対派と賛成派、それぞれ一理ある。それが大人の考え方だ」といった部分には、地元の高校を卒業し福島で働き生きている人々に対する敬意や配慮を感じながらも、問題の本質、原発事故が発生した本質への言質を避けている感を受けてしまいました。数年前に鹿児島で行われた全国研究集会の後に、知覧の特攻平和会館に行った時に感じた無常観に似たものがありました。

★同友会運動の中心は「社会性の自覚」
講演に続き「あれから10年」をテーマに、鋤柄中同協名誉会長がコーディネーターとなり、岩手同友会代表理事の田村氏、宮城同友会代表理事の鍋島氏、福島同友会副理事長の渡部氏の4名によるパネル討論が行われました。震災復興の現状、教訓とすべきこと、そしてポストコロナ時代への対応という流れで、東北3県それぞれの同友会の活動や行政との係わり方などが報告されました。

「1社もつぶさない」を合言葉に、震災直後から各地同友会事務局を中心にした取り組み、その後の経営指針づくり運動、更には“地域振興条例は地域の経営指針づくり”として今なお復興のプロセスで会員企業がリーダーシップを発揮している状況を聞くと、中小企業家同友会の地道な活動が、こうした非常事態を乗り越えて復興の道筋をつける際の教訓として、いよいよ鮮明になっていることが分かります。

鍋島氏が言った「地域の課題を自社の課題としてどうとらえるか、同友会運動の中心は、自社の事業と地域の事業を考える“社会性の自覚”であり、それは“事前復興”とも言えるだろう」という一言がとても印象的でした。

★地域になくてはならない企業になる
第2部は「災害やコロナ禍の中小企業問題」として、愛知、島根、福岡の各同友会から3氏の事例報告がありました。島根の森山さんの、交通計画コンサルタントという肩書で、人口減少、高齢化が進む地方で、効率性ではなく幸福性を追求するという理念のもと、タクシーの定額サービス化、貨客混載、便利屋事業を提案してきたという話に興味を惹かれました。

特に“思い付きの事業は失敗する”ということ、要するに経営指針にキチンと位置付けられていることで経営環境分析と繋がった科学性のある事業になるということ、新規事業は人を生かす経営の上に作らなくてはいけない、というところなど、私たちが災害や危機を乗り切る際のヒントがあるように思えました。

最後はグループ討論です。討論テーマは「今後も存続し続ける会社づくりのために、わが社が取り組むべきことは何ですか?~中小企業家の志が日本の未来を拓く~」。私は全国から参加する7名の会員と第31グループで60分間の交流です。建設業、不動産業、飲食業、農業、車修理業など、それぞれがコロナ禍で付加価値を高めるためにもブランド力をいかに付けて行くか、SDGsの視点をもって地域との関わりを重視する必要などを交流し、最後はやはり「中小企業における労使関係の見解」、経営指針づくりの大切さを確認するグループ討論となりました。

★われら断じて滅びず
中山幹事長のまとめでは「復興とは何か、すべて元に戻すことではない。戻るのを待っていても戻らない。復興とはこれからの時代に通用する人間らしく生きる基盤を作ること」、「地域の人と人との関係を強くすること」、「持続可能な社会として同友会はエネルギーシフトを提起している」という言葉がありました。コロナ禍にあっても、こうした創造的で攻勢的な姿勢を持つことの大切さを学ぶとともに、何よりも「私たちは決して諦めない」という幹事長の最後の一言には、改めて背筋が伸びる思いでした。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

サマリー
・ある日の出来事…
・ふと思いついた
・そもそもの目的はなんだったのか
・手順化し、予防処置をとってこそ

本日もお邪魔いたします。

まず、お断りしておきます。
基本的に私は持続可能な社会を目指すことには賛成していますし、エコな生活、エコな経営はこれからの企業経営、ライフスタイルでは必須だと思っています。
ウイルスは自らの生存をかけて人体に感染しますが、その人体(基盤)が死んでしまうとウイルスも一般的には死滅します。
人類が、地球のウイルスと思われないように環境をコントロールし、生存し続けられる環境を維持することを目指すのは当然のことと思っています(とは言え、私はガイア理論*の信奉者ではありません)。
*ガイア理論=地球と生物が相互に影響しあうことで、地球がまるでひとつの生き物のように、自己調節システムを備えるとする理論。

さて、先日当社にあるお客様から1枚のFAXが送付される旨、電話にて連絡をいただきました。

FAXの音が鳴り、受信。
出てきたのは、想定外の資料。
「はて?」と思っていましたら電話がなり「すみません。送付原稿の裏を送ってしまいました。破棄してください。これからあらためて正しいものを送信します」とのこと。

ふと思い出しました。
こちらの会社、取引先が飲食関係ということで、環境ISO(ISO14001)の取得をしており、取引先がお客様へ商品や部品を提供するに当たり、購入商品や部品に含まれる環境負荷物質並びに製造工程で使用される環境負荷物質について、お取引先様と共にその削減に努め環境にやさしい商品を提供し「地球環境の保全」に貢献することを実現するために、また自社としても事務部門のコスト削減の一環として、積極的に「仕損じ裏紙」を使われています。

私たちも訪問時資料のコピーを依頼すると、たまに(ひと声かけ忘れると)ですが、裏紙利用のコピー資料を渡され、再度コピーしなおしていただくことがございます。

さて、環境負荷に対する削減の取り組みとしては良い取り組みだと思います。
一方で、先のように「再度FAXを送る」、「コピーを取り直す」という行為は、結局削減になっていないどころか負荷を増加させる事になってはしないかと思ってしまいます。
さらに、もし全てのドキュメントの裏紙を再利用としている場合、機密情報の流出のリスクがあります。その被害額は測り切れません。

例えば、FAXの送付ミス。
FAXは便利なもので、自分と相手に同じものが存在する、距離を超えたコピー機のようなものですが、これが仕損じてしまうと、送付先の紙をムダにしてしまいますし、さらにトナーも、あれも、これもと考えると、紙1枚の問題と言えない話になります。
また、最近は減っているようですが、ステープルで一旦留めたものをリムーブして、コピー機において再利用をしている場合、リムーブし忘れや紙の傷(穴)で巻き込んでしまうということが以前は良く発生していました。そのたびにサービスコールとなって保守担当の方を呼ぶということが行われていました。
ガソリン代、時間、それまでの間の機会損失。
細かい話なのですが、裏紙を利用するという行為自身が細かい話なので勘弁してください。

だからといって、機械的に新品(再生紙であったとしても)を利用するべきだとは思いません。

再度書きますが、そもそも環境負荷の低減のために取り組んでいたことのはずが、環境負荷の増加を起こす原因の一因になってしまっている。
これでは本末転倒なことが発生しているのではないかという目で見ることが必要だと思っているということです。

例えば、FAXを送信するときに目に見えるところで「裏表確認!送信面を表にして送信!」と紙に書いて貼ってある会社があります。
また、誤送信防止の為、「スタートボタンを押す前に、もう一度番号確認」と書いて貼ってある会社もございます。
仕損じ面に大きく斜線が蛍光ペンで引いてある会社もあります(それはそれでインク代が…といっても間違うよりマシだと私は思います)。

要は、「間違うことを前提に予防処置をとっているかどうか」です。
そのことが、当初の目的である「環境負荷の低減」を確実にできるポイントかと思います。

先の会社の社長様は、私どもがお邪魔した際にコピーを依頼すると、「裏白ですか?再利用紙で大丈夫ですか?」と必ず確認されます。

コピーの場合はこのように相手のニーズを確認できます。コミュニケーションをとればリスクは下げられます。
一方、FAXは送信者が相手に確認することはできませんので、注意喚起を何らかの方法で行うしかありません。

例えば似たようなシーンに、配布資料がカラーの時とシロクロ(またはグレースケール)の場合があります。
セミナー講師などを行っていると、私自身の資料はカラー、配布されているのはシロクロという場合があります。

確かに、昔よりもかなり安価になったとはいえ、カラーコピー(印刷)は白黒よりも高価です。

しかしもともと、カラーで送付しているのには意味があります。

大事なところ、注目してほしいところ、またはその他の部分と区別して見ていただきたいところなどがカラーだと一目瞭然です。
しかし、シロクロだと、その部分を口頭や身振り手振りで特定するのに、少人数でなければ一苦労です。
その一苦労の時間を時給に当てはめれば、また参加者の理解度を時給に当てはめればどちらが安価か計算したくなります。

そういうことも想定して私は「カラー」を希望する場合には、メール添付で資料送付時に「カラーで印刷をお願いいたします」と申し添えます。
その一文が無い場合はシロクロでも分かるように工夫を加えます。

さて、話がそれましたが、いずれも「その行為や意図した結果を確実にするためには、手順化して予防処置をとってこそ」ということになります。

ぜひ、「まったくもう!」と思ったり、「あ~面倒だな」と思ったりしたときは、手順化してみたり予防処置を検討してみてください。

特にコロナ禍において、人々の距離が従来以上に離れて仕事や生活をすることが求められています。そういう時こそ、過去の経験が役に立たないと言われている中、一度分解して再構築した手順化は有効かと思います。

今回もお読みいただきありがとうございました。

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